秋ナスが美味しいわけ

秋茄子ということばがあります。
だいたい9月にでてくる茄子のことを指します。
夏秋なすという区分は露地で6月~11月頃まで収穫されます。
なすというのは夏まっさかりのとき
いっぱい実がなるのですが
それを8月上旬くらい
少し弱ってきたときくらいに
枝を切ってやり
1/3~2/3くらいにしてやっていったん休ませます。
すると9月には
おいしい秋茄子が実るようになります。
8月中は出荷量も多く値段も安くなるくらいでまわるのですが
この8月、秋のために枝を切り、ある程度がまんしてやると
9月には、おいしいものができてくるのです。
こうして栽培してる現場を見ると
おいしさも倍増するかもしれません。
夏秋なすの出始めはふわふわで柔らかくて浅漬けにもむいてます。
それが秋になるにつれて引き締まってきます。
秋なすの特徴としては
皮が薄く
種が少なく
涼しさで実が引き締まるという理由でおいしくなります。
ちょっと硬めの部分があるのですが
そこが甘みがあっておいしいのです。
夏の暑い時期ですと
過酷な環境でエネルギーを消費してしまいます。
秋になると
栄養がたっぷりと残り
旨み成分のアミノ酸や糖が増えるため
甘くなるようです。
アクも強くなるのですが
旨み成分であるアミノ酸や糖が増えることによっておいしくなります。
もともと糖質が多いので
糖質制限されてる方にとっては注意が必要です。
アクが強いですが
そのアクはアントシアニンであり
高温で旨みとなります。
油で炒めるとさらに甘くなります。
嫁に食わすな秋なすび
という言葉がありますが
いろんな説があり
おいしいからとか
なすは冷えるので嫁を気づかってとか
種が少ないので子種ができないとか
いろいろあります。
二宮金次郎が初夏にナスを食べてたら
その時期のナスにしてはいつもよりおいしく
秋茄子の味がしたので
天候の変化を察知し
収穫の秋が来る前に
飢饉を対策したといわれます。
(こちらの茄子は種が多かったと記述されてます)
秋茄子は味は良いのですが
えぐみ(アク)は強くなります。
とりたては比較的えぐみは少なく
その後えぐみは強くなります。
えぐみが強くても
おいしさの方が優るのが秋なす。
調理方法によってそのアクがさらに甘みを増すものになります。
涼しくなると引き締まるのですが
涼しすぎてもいけません。
なすはインド原産で寒さに弱いです。
保存は常温。
冷蔵庫に入れると
硬くなりすぎて
傷みやすいです。
長く保存するには
冷蔵庫かもしれませんが
失敗しやすいと思います。
冷えるので嫁に気を使うともありましたが
漢方では冷やす効果があるそうです。
そのため鎮痛・消炎に使われます。
インド原産ならではとして
夏、暑くなってしまった体を冷やすにもいいようです。
なすは野菜の中でも水っぽいですね。
外見からして水っぽさを感じないのですが
調理するとわかります。
おいしいナスの食べ方のレシピとしては
まず
塩もみがおすすめです。
なす本来の味が楽しめます。
簡単なやり方としては
袋に適当に4つかそこらに切ったナスを入れ
塩を一つまみいれます。
そしてよく揉んでください。
揉んでると水分がよくでてきます。
30分ほど冷蔵庫にいれておきます。
水分をよくとったらできあがりです。
冷蔵庫に入れておくのは
冷やしたほうがおいしいのと
食中毒対策です。
浅漬けは特に食中毒対策を心がけてください。
あとは生姜焼きもおいしいですね。
なすはなるべく良いものがよいです。
あたりまえですが
安いのだとちょっとアクが強かったり
クセのあるにおいが残ったりします。
生姜焼きならば安いのでもおいしいです。
塩もみだとストレートにきますから
漬物にするにはやわらかくて良いものを選んだほうがいいです。
炒めたりするのでしたら安くかったり硬かったりしてもOKです。
やわらかくて良いなすとしては
群馬産のナスがおすすめです。
ほかの地域も良いナスがあるところはあるのですが
平均的に言うと群馬産がおすすめです。
この前、安売り用の安いナスを
惣菜の人が使ってナスの天ぷらを作ったのを食べたのですが
大変おいしかったのです。
「安いナスなのに、こんなにうまいのか?」と思ってしまいました。
夏ごろ食べた時は普通なナスの天ぷらだったのですが
秋になったら、食べていて結構甘みを感じたのです。
安いナスなのでアクが強そうなイメージがあり
もうちょっと渋いような気がしました。
しかし、こんなに安いナスでもおいしかったです。