悪戸いも

芋煮会がさかんな山形の高級里芋です。
山形市の西部、村木沢の悪戸(あくど)地域でとれるものをいいます。
ここらへんは最上川水系の「須川」の扇状地となっており
砂状の土地が独特の芋をつくりだしてるようです。
各家庭が自分の家で食べる分くらいしか作られておらず
市場にはあまりでまわってませんでした。
山形の芋煮会は10月が多く
寒くなる11月などはやれないようで
悪戸芋は芋煮会に間に合わず
作る人も減ってたようです。
山形で栽培されてる里芋の品種は「土垂(どだれ)」
悪戸地区でも土垂を多く栽培してる中
この芋を栽培してました。
細々と外に販売もしてきたようですが
近年TVなどで注目され
栽培面積も増え
山形のJAの直売所でも置かれるようになりました。
その地区の中でも神保産業というところが
独特の保存方法で受け継がれてきた「27代目」の種芋を使って栽培されてます。
こちらでもいくらか手に入れることができるかもしれません。
私自身、食べたことが無いので味はわかりませんが
いろいろまとめてみると
粘り気がつよい、ねっとりしてる
里芋の濃厚な味
絹のようなきめ細かい舌触り
口の中でふわっととろける
おもちのよう

といった感じのようです。
それでいて火の通りもよく、長時間煮ても煮崩れしにくいです。
普通の里芋よりも保存がきくようです。
旬は10月下旬
収穫時期が10月中旬~11月中旬と
普通の里芋よりも1ヶ月ほど遅く
かつて日本の最高気温を記録した山形でありながらも
東北であることから
昼に気温が高く
夜はひんやりとし
寒暖の差が激しく
近くを流れる須川から
霧がたちこめて
里芋の大きな葉を湿らせてます。
そして、水はけの良い砂状の土地が
このような芋を生んだと思われます。
水はけが良いだけに
大量の水が必要で
霧の水分だけではもちろん足りないので
須川から大型のポンプで水を送ることもあるようです。
粘り気があり
煮崩れしないので
レシピはいろいろありそうです。
粘り気があるので団子にしても
クリーミーなのでコロッケにしても
煮てそのまま食べても
濃厚な味なので
なにもつけなくてもいけるかもしれません。